【hariのプレゼン講座】
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資料を作る前に:外せない前提と3つのステップ
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資料作りの基本:これだけ抑えておけば「資料作りが上手」と言われるポイント
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プレゼン本番の心得:覚えておきたい3つのこと
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プレゼンで使える7つの心理学
この記事では、1. 資料を作る前に:外せない4つのステップを解説します。その他の内容は、以下をご参照ください。
(準備中)2. 資料作りの基本:これだけ抑えておけば「資料作りが上手」と言われるポイント
(準備中)3. プレゼン本番の心得:覚えておきたい3つのこと
(準備中)4. プレゼンで使える7つの心理学

hari
突然ですが皆さん、プレゼンは得意でしょうか?
いきなり会社でプレゼンを任されてしまい、不安・・・
プレゼンの経験は何回かあるけど、いまだに苦手意識がある。
準備にとても時間がかかってしまう。
プレゼンが上手くできる人が羨ましい。
安心してください。
プレゼンが得意だと自信を持っている人は多くありません。逆に大半の方が苦手意識を持っています。
プレゼンが上手い人はあたかも生まれたときからプレゼンが上手いかのようにプレゼンをしますが、実はプレゼンには方法論があるのです。
そして、それを忠実に行えば誰でもプレゼンは上手くできるのです。
一方で、そもそもプレゼンの方法を研修などで体系的に教えている企業自体がそれほど多くないですし、教えていたとしても資料の作り方や話し方と言ったテクニックばかり。
本質的にプレゼンのやり方を学べる機会は実はほとんどないと思っています。
そこでこの記事では、100以上の法人クライアント向けのプレゼンや500人規模のセミナーに登壇をしてきたhariが、誰でもプレゼンが上手くなる考え方やコツをお伝えします。
なおここでお伝えする内容はhariの経験と、MBA(経営修士ビジネススクール)で教えられている内容をMIXしたものです。少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
目次
資料作りからはじめていませんか?
早速ですがみなさん、プレゼンをやると決まっていきなり資料作りから始めていませんでしょうか?
- まず、資料のタイトルはどうしようか?
- 構成はどういう形が良いか?
- この内容を伝えたいから、最初と最後にその内容を持ってきて、中盤は理由の肉付けにしよう。
多くの人はこのように考えてしまうと思います。
しかし、残念ながらこういった方法でプレゼンの準備をすると高い確率でそのプレゼンは失敗します。
プレゼンは資料を作る前の準備で8割決まるとも言われています。
そしてその準備にこそ大切なステップがあり、そのステップを辿ることで成功確率を飛躍的に高められます。
なお、この記事では分かりやすく「プレゼン」と言っていますが、社内の勉強会でも、就活や転職の面接でも、さらに言えば日々の上司との会話でも同じ考えが応用できます。
いきなり資料作りからはじめる
資料を作る前に、やるべきことを以下のステップで解説します。
プレゼン資料を作る前に抑えるべき前提と3つのステップ
はじめに:そもそもプレゼンとは何かを知る
1.聴き手の現状を理解する
2.プレゼンの後の理想の状態をイメージする
3.現状から理想の状態への導き方を考える
このステップがプレゼンの基本であり、全てです。
はじめに:そもそもプレゼンとは何かを知る
そもそも、プレゼンとは何なのでしょうか?その答えを、以下の一枚のスライドで説明します。

このスライドの通り、プレゼンは
①プレゼンを受ける前の聴き手
を、
②プレゼンを受けた後の聴き手
に、
③導く行為
です。
・・・
・・・
あたりまえだろう
という声が聞こえてきそうですね。
でも、現実はこれを理解しないままプレゼンをしてしまう人が大半です。
よく陥りがちな失敗が、自分が伝えたいことを起点にプレゼンの準備をはじめてしまうことですが、これではhariくいきません。
プレゼンの目的は、プレゼンをすることによって聴き手を現在の状態から理想の状態に導くことです。
自己満足だけが目的のプレゼンであれば自分が伝えたいことをそのまま伝えれば良いですが、そんなプレゼンは普通のビジネスではあり得ないと思います。
プレゼンの目的を達成するためには、聴き手の現状を正しく理解し、理想の状態を具体的にイメージし、そこに導く方法を考えることが重要です。
まずはこの点を抑えておきましょう。
プレゼンの目的は、プレゼンをすることによって聴き手を現在の状態から理想の状態に導くこと。
1. 聴き手の現状を理解する
プレゼンの目的を抑えたら、実際のステップに移りましょう。
まず行うべきは、聴き手の現状を理解することです。
まだ「何を伝えるべきか」を考えてはいけません。プレゼン当日の聴き手をイメージしながら、以下についてよく考えてみてください。

誰が意思決定者なのか?
まず第一に、聴き手の中で誰が意思決定者なのかを明確にしましょう。
クライアントへの提案や社内プレゼンであれば、あなたの提案を採用するかしないかといった意思決定を行う人が必ずいるはずです。
不特定多数の方向けに行うセミナーなどでは、参加者一人一人が意思決定者となります。
とにかく、プレゼンは意思決定者に向けて行うべきです。
以下に述べる「聴き手」は、全てこの意思決定者を想定しましょう。
意思決定者はだれ?
聴き手の興味関心はどこにあるのか?
次に、聴き手がそのプレゼンの内容についてすごく興味を持っているのか、それともなんとなく聴きにくるのかを確認しましょう。
興味を持っているのであればどのポイントに興味を持っているのか、それによって強調すべき点も変わってきます。
また、興味を持っていないのであれば冒頭に興味を持たせるような構成にすべきということが分かります。
聴き手の興味関心はどこにある?
聴き手の前提知識はどの程度か?
聴き手はプレゼンの内容についてよく知っているのか、それとも全く知識がないのか。
知識が十分にあるのにすでに知っていることをダラダラと説明されてもシラケてしまうし、知識がない場合は丁寧に説明してあげないとその内容に全くついてこれないといったようなことが考えられます。
聴き手は何を知っていて、何を知らないのかを明確にしましょう。
繰り返しますが、聴き手が複数の場合はここでも「意思決定者の」前提知識を考えてください。
聴き手の知識はどのぐらい?
どんな考え、感情を持っているのか?
聴き手はプレゼンの内容についてポジティブな感情を持っているか、ネガティブな感情を持っているか。
ポジティブなのであればある程度メリットやリターンを強調するような内容の方が受けが良いですが、ネガティブな感情を持っているのであればデメリットが少ないことやリスクが低いことを示してあげるべきです。
聴き手の感情は、ポジティブ?ネガティブ?
聴き手とあなたの関係性は?
聴き手とあなたはどのような関係でしょうか?
すでに信頼されているのであればいきなり内容の説明から入っても良いかも知れませんが、全くの初対面や関係が薄い場合には冒頭はあなたの会社やあなたという人間自身を信頼してもらうための内容とすべきです。
聴き手はあなたのことをよく知っている?
2. プレゼンの後の聴き手の理想の状態を考える
次に、あなたのプレゼンが終わった後の聴き手の理想の状態をイメージしましょう。
あなたのプレゼンを受ける前の聴き手が、プレゼンが終わった後にどうなっていて欲しいのか。

どんな考えになっていて欲しいのか?
あなたのプレゼンを聴き終わった後に、聴き手にどのような考えになっていて欲しいでしょうか?
例えばクライアントへの提案であれば、あなたの会社の商品やサービスの良さを理解してもらいたいのか、それともリスクやデメリットが少ないと思ってもらいたいのか。
例えば社内向けの新規事業の提案であれば、その新規事業を是非本格的にやろうと思ってもらいたいのか、それとも反対をされないようにしたいだけなのか。
微妙な違いですが、この違いによってプレゼンの内容も大きく異なります。できるだけ詳しく、プレゼン後の聴き手の理想の考えをイメージしましょう。
プレゼン後に聴き手にどう思ってもらいたいか?
具体的にどのような行動をして欲しいのか?
そして、プレゼンの後に意思決定者にどのような行動をして欲しいでしょうか?
商品やサービスに興味を持ってもらってさらに詳しく調べて欲しいのか、それともその場で購入することを決めてもらいたいのか。
新規事業についてすべて任せて進めさせて欲しいのか、アドバイスが欲しいのか、それとも誰かを紹介してもらいたいのか。
具体的な行動をしてほしい場合には、その行動をしっかりと抑えておきましょう。
プレゼン後に聴き手に何をしてほしいか?
3. 現状から理想の状態への導き方を考える
ここまでできたら、後は現状の聴き手を理想の状態に導くための方法を考えるだけです。
これまでのステップがしっかりとできていれば、導く方法はスムーズに浮かんでくるはずです。

どうやって導くか?
共感させることで感情に訴えて導くのか、それとも論理的に納得してもらって導くのか。
メリットやリターンを強調して導くか、懸念点を払拭する方法を強調して導くか。
聴き手がどのようなタイプかによって変わってきます。もう一度聴き手について思いを馳せてみましょう。
聴き手の琴線に触れるのは、どのようなスタイルか?
導くためにどのような構成にするか?
冒頭にセンセーショナルな内容を持ってきて一気に引き込むか、徐々にテンションを上げていって引き込むか。
ストーリー形式にするか、淡々とファクトとなる数字を説明するか。
どうやって導くか?の延長ですが、これも聴き手の好みによるところが大きいです。しっかりと聴き手について考えましょう。
構成も、聴き手の好みによります。唯一の正解はなく、聴き手に合わせるべし。
プレゼンの資料はどのような体裁が良いか?
これも、聴き手の性格や興味関心によって何が良いかが変わってきます。
ビジュアルで分かりやすく示すのがよいのか、それとも細かい理由や数字を並べて説明するのが良いのか。
明るい未来をつかむ方法を見せるのがよいのか、暗い未来を避ける方法を見せるのが良いのか。
これは、聴き手が普段どのような形で人とコミュニケーションをとっているかで大体わかります。
聴き手を観察して、その人が発信している形に合わせる。
どのような場をセッティングすれば良いか?
プレゼンをどういった場で行うかは意外と重要です。
資料は投影するのか、紙で配るのか。会場はどのようなレイアウトが良いか。
いくらビジネスとは言え人は感情に左右されるものですから、「場作り」にも気を抜かないことが大切です。
また、こちらのメンバーはどうするか、話し手は誰にするかも検討事項です。
場合によっては自分ではなく上司にプレゼンをしてもらったほうが聴き手を理想の状態に導きやすいというようなこともあり得ます。
「場作り」にも気を抜かないよう。本番をイメージして準備しましょう。
どんな反論や質問がされそうか?
資料を作る前に、当日にどんな反論や質問がされるかを考えておくことは非常に重要です。
あらかじめその反論や質問に対する回答を資料に落とし込むことで「あなたのことは分かっています」というアピールができますし、逆にあえて自分からは説明せずに反論や質問が来たタイミングでスムーズに回答することで、「しっかりと考えている」という印象を相手に与えることもできます。
オススメは、「反論に対しては資料に落とし込む」、「質問に対しては資料に落とし込まない」ことです。
なぜなら、質問はその場でされる場合が多いですが、反論はその場では口にされないことが圧倒的だからです。いくら準備をしていても、反論がされなかったら準備をした意味がありません。
このあたりはテクニック的な話になりますので、テクニック編でも詳しく解説しています。是非ご参照ください。
反論や質問に備える
以上が、資料を作る前に考えるべきポイントです。ここまでしっかり考えられていれば、プレゼンは8割成功したも同然です。
目的、聴き手の現状、理想の状態、導き方をしっかり考えることから始めましょう。
要点まとめ
はじめに:そもそもプレゼンとは何かを知る
1.聴き手の現状を理解する
2.プレゼンの後の理想の状態をイメージする
3.現状から理想の状態への導き方を考える
資料編、本番編、テクニック編は後日公開します。お楽しみに!