[chat face=”hari.png” name=“hari” align=”left” border=”gray” bg=”none”] 注目のビジネスモデルを教えて! [/chat]
[chat face=”kan.png” name=”がるch” align=”right” border=”red” bg=”none”] 今回は「I-ne」を紹介します! [/chat]
2020年9月に東証マザーズに上場した「I-ne」。
企業名は知らなくても、「BOTANIST」等のブランドを知っている人は多いはず。
その強みはなんといっても現代流のマーケティング。
他社との差別化を図りたい経営者の方やマーケティングに携わる担当者の方は参考にできることが多くあるはずです。
I-neの会社概要
I-neのブランド展開
インスタなどでも話題のシャンプー「BOTANIST」やサロン向けの「SALONIA」を展開しています。
I-neの業績推移
直近3年の売上高は200億円を越えており、マザーズに新規上場する企業のなかでは突出して高い売上高を誇っています。
ビジネスモデル:D2C!?
D2Cとは、「Direct to Consumer」の略。
卸売を使わず、製品を消費者にダイレクトに届けるビジネススタイルのことを指します。
「BOTANIST」を始めとして、I-neの展開ブランドは卸売の小売店を経由して消費者に届けられる割合が大きいため、純粋な意味ではD2Cビジネスとは言えません。
しかし、SNSなどでユーザーとダイレクトにコミュニケーション。
生の声を拾いそれをスピーディな商品企画や製品開発に活かすという点で、D2Cビジネスの成功要素を上手く取り入れているビジネスモデルと言えます。
販売チャネルはオンラインとオフラインを巧みにバランスさせているのが特徴。
新商品をスピーディに届けられるオンラインで消費者の反応を見極め、好評な商品をオフラインの小売店に展開していくモデルを構築しています。
マーケティングの教科書にしたい4つのポイント
I-neはなんといってもマーケティングに大きな強みを持つ会社です。
その手法は、教科書的に真似したいものばかり。
ここからは、多くの会社が参考にすべき4つのポイントをお伝えします。
ポイント① 洗練された世界観の構築
まず1つ目はなんといっても洗練された世界観の構築です。
「BOTANIST」「SALONIA」を始めとして、I-neのブランドにはギラギラした商品アピールが全く感じられません。
例えば一般的な市販のシャンプーは「髪をきれいにする」といった機能面が大きく謳われるのに対し、BOTANISTはあくまでその世界観を売りにして共感を集めています。
(画像:I-ne公式Webサイトから引用)
↑植物をメインにしたストーリーやライフスタイルを紹介する「BOTANIST JOURNAL」や植物そのものの特徴をおしゃれに伝える「BOTANICAL CLOSE-UP」を自社メディアで展開。
ポイント② 最先端のトレンドをキャッチする仕組み
こうした世界観の構築は、世界中からあらゆる情報を集めて常に最先端のトレンドを分析しているからこそできるもの。
I-neは独自開発したAIシステムで世界各国の情報を解析し、消費者の潜在ニーズを捉えて商品開発に活かしています。
さらに専門のトレンドハンティングチームを組成し、データだけではなく人間の感覚も加味した情報でスピーディな意思決定を行っています。
ポイント③ SNSの効果的な活用
いまでこそビジネス上のマーケティングにも広く使われるようになったインスタグラム。
I-neは、2015年とかなり早い段階からインスタグラムをマーケティングに活用しています。
(画像:instagram「BOTANIST」公式アカウントから引用)
商品画像を多く掲載していながら、PR感は一切感じられません。
あくまで自然な形で、ユーザーと直接的なコミュニケーションを図っています。
ポイント④ 超短期サイクルを実現する体制
最後は、製品を消費者に届けるためのオペレーションの仕組みです。
いくらトレンドをキャッチして世界観を構築しSNSで共感を得たとしても、それらをタイムリーに製品開発に繋げないと意味がありません。
スピーディな製品開発を実現するために、I-neは「ファブレス」という仕組みを採用しています。
ファブレスとは、自社工場を持たないということ。
代わりに、150を超える工場とOEM契約を結び製品開発が柔軟にできる体制を整えています。
こうした体制によって、トレンドやニーズを反映したスピーディな商品展開を行えるオペレーションが実現できていると言えます。
今後:海外展開と商品ラインナップの拡充が見どころ
上場後のI-neの注目ポイントは、海外展開と商品ラインナップの拡充。
現在でも売上高はマザーズ新規上場の中でもトップ1割に入る規模ですが、利益ベースで見ると突出しているとは言えません。
上場で得た資金を使っていかにトップラインとボトムラインの同時成長を図っていくか。
その鍵を握っているのが、海外展開と商品ラインナップの拡充と言えます。
2019年にはマクドナルドやローランドベルガーで実績を残した一流マーケターの足立光氏を社外取締役に招いてさらにパワーアップしたI-ne。
これから展開されるマーケティングの手法にも注目が集まります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
仕組みが分かれば、ビジネスはもっと面白くなる。
今後も、「注目のビジネスモデル」を情報を発信していければと思います。