

大手企業で人事を担当していたハリです。
一定以上の規模の会社であれば逃れられない人事異動。
入社する企業は選べても、働く部署は選べない。そんな会社も多いはずです。
では、人事異動は誰がどうやって決めているかご存じでしょうか?
そのメカニズムを理解して戦略的に動けば、異動の希望を叶えられる可能性はぐっと高くなります。
この記事では大手企業の裏側を知り尽くした筆者が、希望する部署に異動するための3つの正攻法と、1つの禁断法をお伝えします。



この記事の要点をアニメーションで分かりやすく解説してるよ〜(8分の動画)
人事の裏側を知り尽くす筆者の経験から
私は大企業に入社した1年目から「どうしたら自分が希望する部署で希望する仕事ができるか」を考えて過ごしてきました。
そして人事異動が決まる仕組みや人事の考え方について徹底的に調査して動いた結果、これまで自分が経験した異動をすべて希望通りにコントロールすることができました。
さらにその異動先のひとつは人事部。
人事部で働いたことにより私が元々持っていた仮説が確証となり、人事異動は従業員が戦略的に動くことによりある程度コントロールすることが可能ということも分かりました。
これから述べる方法は、戦略的にしたたかに動くことで希望の異動を勝ち取る方法です。
紹介するのは3つの正攻法と1つの禁断法。
特に禁断法は裏技的な内容でもあり、人によっては反対意見もあるでしょう。
よって本当はあまり広くは発信したくないのですが、「どうしてもあの部署に異動したい」という方に向けて少しでも参考にできる意見としてお伝えできたら幸いです。
人事異動が決まる裏側 – 2通りの決まり方


最初にお伝えしたいのが、大半の企業で人事異動は「パターンシャッフル」と、「指名制」に分かれます。
どういうことでしょうか?それぞれ解説していきます。
異動の決まり方①:パターンシャッフル
まずは、「パターンシャッフル」という決まり方。
人事異動の9割はこの方法で決まります。


パターンシャッフルは、従業員の年次、経験、実績などから人事部がある程度機械的に異動を決める方法。
言葉を選ばず言えば「パズル」のように異動が決まっていきます。
異動の決まり方②:指名制
パターンシャッフルとは別に、一部の異動は『指名制』、いわゆる特別枠のような形で異動が決まる人たちがいます。
これはその人の専門性が高く評価されたり、重要な役割やポジションで是非その人にその仕事をやらせたいと周囲が思う場合で、特に社内で活躍している人、目立っている人が得られるポジションと言えます。


人事異動の希望を叶えるためにどのようなポジションを確立すべきか?
ここまでお読みいただければ分かる通り、機械的に決まる「パターンシャッフル」よりも「指名性」の方が異動の希望が叶う確率は圧倒的に高くなります。





人事異動をコントロールするには、「指名性」に入るべし
それでは、このポジションを勝ち取るためにはどうすれば良いでしょうか?
具体的な方法について述べていきます。
希望の人事異動を叶える具体的な3つの正攻法
ここからは、希望の人事異動を叶える具体的な方法について解説していきます。
まずは3つの正攻法から。
1. とにかくいまの業務で結果を残す


まずはやはりこれが一番の近道です。
いまの仕事で全く成果を残していないのに、人事部や異動希望の部署から「この社員はこの部署を希望してるから考慮しよう」と思われるわけがありません。
いきなり辛い現実を叩きつけてしまうようですが、まずここをクリアすることが第一です。
成果を出すというのは、「良い意味で目立つ」ことです。
良い意味で目立っている近くの先輩や同僚がどのように仕事をしているのか、その人を真似たり、自分なりに工夫して仕事に取り組んでみてください。
自分をアピールすることが苦手でも、見ている人は見ています。
地道でも着実に、成果を残すことにこだわってみてください。



まずはいまの仕事で成果を残す。これが最優先。
2. 社内横断プロジェクトに参加して名前を売る


仕事である程度の成果を残したとしても、それなりの規模の企業ではその成果がなかなか人事部や異動希望先まで伝わりません。
異動を決める人、つまり人事部や異動先の偉い人が「あなたの存在を知らなければ」意味がありません。
社内表彰されるぐらいの素晴らしい成果を残している人は自然と名前が知られると思いますが、そうでなくても人事部や異動先の偉い人に自分の存在を認知してもらう方法があります。
それが、「社内横断プロジェクトへの参加」です。
ある程度の規模の会社によくあるのですが、会社の組織文化を変える試みであったり、新規事業を創る試みなどで複数の部署にまたがった横断チームが立ち上がることがあります。
そのときに、自ら手を挙げてそのプロジェクトに参加するのです。
正式にそういったプロジェクトが立ち上がらなそうな場合は、非公式の有志団体といった形でも良いと思います。
とにかく、そういった活動に参加して自分の組織の外の人たちにもあなたの存在を認知してもらうことが重要です。
主体的にそういった活動に参加することで自分の視野も広がるでしょうし、活動自体がマイナスになることはありません。
「人事や偉い人に名前を知ってもらう」ために、したたかに動いてみてください。



社内横断プロジェクトに参加することで、自分の名前を売り込む!
3. 希望する部署で必要とされる専門性を身につける


「自分は希望の部署で使えるこんな専門性を持っている」ということをアピールするのも有効です。
必要な専門性を身につけるためにできることは主に以下の2つです。
- 現在の業務のなかで戦略的にその専門性を高められる仕事を引き受ける
- 業務外で資格をとったり学校に通って専門性を身につける
私が人事部から企画の業務に異動をしたときは、ビジネススクールに通うことで経営企画の専門性を高めてそれをアピールしました。
「本気でその部署に異動するために動いている」と周囲に理解してもらうことが重要です。
一方、忙しくてそこまでできない・・・という方が多いのも事実だと思います。
その場合は、合間時間に関連する本を読んだりネットで情報を集めたり、少なくとも「勉強している」ということをアピールできるようにしておきましょう。
「手軽にビジネススキルを高める」という意味では以下記事で述べているような方法も有効です。是非ご参照ください。
【市場価値を高める】普遍的に重要なビジネススキルの種類とスキルを向上させるための方法



異動先で必要となる専門性を身につけてアピールする!


希望の人事異動を叶えるたった1つの禁断法
これまで述べたのは、異動希望を叶える正攻法です。
ここからは、あまり教えたくない「禁断の方法」をご紹介します。
希望が叶わなかったら「辞める」ことを匂わせる


異動の希望を叶える禁断の方法。
それは、「希望が叶わなかったら会社を辞める」といったことを上司や人事部に匂わせることです。
これほど効果的な方法はありません。
会社として一番つらいのは、せっかくコストをかけて人材を育てたのにその人材が会社を辞めてしまうこと。
いまの仕事である程度の成果を残していることが大前提ですが、「辞める」という選択肢を持ってこられると人事部としては正直その従業員の希望を考慮せずにはいられません。
「希望が叶わなかったら会社を辞める」といったことを上司や人事部にそれとなく伝える。
そのためにまずやるべきことはたった1つ。
それは、すぐに転職するつもりがなくても転職活動を始めることです。


辞めることを匂わせるにしても、実際に転職活動もしたことがないと説得力がありません。
さらに、転職活動をすることによって視野が広がるという副産物も得られます。
私自身も、入社1年目から複数の転職サイトに登録して実際にエージェントの方と会うことで「いまの会社を辞めてもなんとかなる」という思いを持つことができました。
そしてそれが実際に希望の異動を叶えた大きな要素であると考えています。
私のおすすめは、業界最大手のマイナビエージェント
コロナの影響で現在は基本的に電話対応となりますが、逆に手間をかけずに転職活動を始めるチャンスでもあります。
登録・相談は無料。
いますぐ転職するつもりがなくても、絶対に損はありません。


公式HP:マイナビエージェント
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「会社を辞める」という選択肢を持つことはそれ以外にも様々なメリットがあります。詳しくは【辞めるつもりがなくても】絶対に転職活動をしておくべき理由とそのメリットをご覧ください。


「会社を辞める」という選択肢を持つことで、会社に対して優位な立場に立つ
戦略的に動いて希望のポジションを獲得するか、現状に甘んじて悶々とした日々を過ごすかはあなた次第。
どんなに大きな規模の会社であっても人事異動は戦略的に動くことでコントロールできます。
会社に仕事や住む場所を決められるのではなく、自ら希望をつかみ取りましょう。
年齢・年収ごとのおすすめ転職サイトは【2021年下期】年齢・年収別おすすめ転職サイト・転職エージェントにもまとめていますので、是非ご覧ください。


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