
皆さまから寄せられた仕事やキャリアの悩みにお答えするコーナー。
今回は、私のところにも最近相談が多い「副業」について。



- 副業したいけど、どうやって始めるの?
- 副業できるような知識もネットワークもない・・・
- 副業やってみたけど、続かない・・・
こんな悩みに対して、実際に副業として企業のコンサルをされているそそさん(@Tom60362507)をお迎えして解説します。
銀行からリクルート、VCというキャリア



その後、7ヶ月間ニートをやりまして、リクルートの法人営業として中途入社しました。
3年間勤めた後にベンチャーキャピタリストに転身して今に至ります。
キャリアを深掘りしたいのは山々ですが、その辺りはそそさんのブログ「そそキャリア」で詳しく説明されていますので、今回は副業というテーマに絞ってお伺いできればと思います。
キャリアを活かして企業コンサルを副業に
内容は業種によっても違いますが、基本的には企業の決算書を見てどうしたら良いかを考えることからスタートします。
その上で、この業種にしてはこのコスト高すぎるからこっちの方法の方がいいですよと助言したり、営業マンの業績管理とかのやり方を変えたりとか、経営全体が良くなるために何か提案する感じです。
いつ副業をしているのか、加えて差し支えなければ副業での報酬を教えていただけますか?
コンサル先との連絡や調べ物については移動の隙間時間を使っています。
報酬についてはそうですね….個人的に「副業年収〇〇円!」という人が好きでないので詳細は控えさせて頂きますが、生きていけるくらいはあります笑
・どのようにしてコンサルを受注しているのか
お聞かせいただけますか?
初めてコンサルを受注したのは、リクルートOBで起業した方からの依頼でした。
自分が元銀行員だったこともあり、借入したいから手伝って欲しいと言われたことがきっかけですね。
当時8,000万くらい調達した後に、会社全体のことも見てほしいと言われて色々お手伝いしました。
その後は全て紹介でどんどん繋がっていったという感じですね。
ちなみに銀行員は副業できないですし、銀行から転職する人の多くは公務員だったりするので、比較的ブルーオーシャンなんですよね。
それに加えて、銀行からリクルートに行く人も少ないので更に希少性が出たのもお仕事をもらえる理由かと思います。
本業のキャリアを副業に活かす思考法とは
銀行からのキャリアとしては珍しいと思いますので、確かにブルーオーシャンかもしれません。
ただし、銀行で働いていれば自然と財務や経営のコンサルができるようになるとも思えません。
銀行員時代から、将来的に個人でそういったビジネスをすることを見据えて知識やスキルを磨かれていたのでしょうか?
銀行で働いているだけでは勿論今のようなコンサルはできません。それがリクルートに転職した理由ですね。
その他にも、自分で経営について勉強したりしていたので、副業でアウトプットする形でした。
だから最初の方はお金を請求しないで、クライアントの言い値でお駄賃をもらっている感じでした。
今も割とそうですけど….
与えられた仕事をこなしていくだけでは個人でビジネスを取れるような能力はつかないと思います。
リクルートへの転職がいまの副業にも活きているとのことですが、人脈以外にリクルートで培われたどのようなスキルや能力が今の副業に活きているのか具体的にお伺いできますか?
そこで、リクルートに転職したことで、クライアントの経営改善スキルが身につけることが出来ました。
具体的にはマーケティングや営業戦略の立案、業務フローの改善などですね。
加えて、リクルート内で新規プロジェクトの統括や営業50名のリーダーをやらせてもらったことも大きいです。
「やりたいこと」からの逆算思考でキャリアを構築する
営業から企画やりたい!という多くの人が①から③に行って失敗します。
副業も同じで急にブログとか株とか対して興味ない、かつ自分が全く知らないことをやるから続かないし、稼げないのです。
ぼくも銀行の営業と、今のベンチャーキャピタルの仕事って似ているようで実は求められるものが違ったりするんですよね。
そんな自分がいきなりそこを目指しても採用される訳がないので、ちょっとずつ寄せていくのです。で、それに従って副業の範囲に移していくイメージですね。
副業を選ぶときのおすすめの考え方
①自分が好きなこと
②スキルアップしたいこと
③会社ではできないこと
のどれかに当てはまるものしかやってこなかったですし、これからもそうです。
3つに当てはまるものを一生懸命やっていると、思わぬ形で色々広がっていくんですよね。
実はコンサル以外の副業もやっているのですが、それはお客さんの要望に応えていったら勝手にビジネスとして成り立ったものです。
やっぱり最後は人と人の繋がりなので、そこを1番大事にしてやっていきたいなと思っています。
値段も相手に決めてもらっているのもこういった理由からでした。
正直、副業で「お金をめちゃくちゃ稼ぎたい!」とはあまり思ってはないんですよね。
例えば、ブログも勉強のために書いていますが、稼ぐためにやっているのではなくSEOだったりGoogleのアップデートの意図とかを見るために自分で経験したいから書いています。
「誰でも稼げる副業」をおすすめしない理由
というか稼ぐためにやるのではなく、誰かの役に立てるための成長の場としてやるくらいがちょうどいいと思います。
「誰でも稼げる」に飛びついても、結果的に自分の時間を浪費するだけになります。
そもそもすぐに稼げなくても、自分が成長できれば長期的には絶対リターンがくる。
だからぼくは最初、無料でやりました。別にお金なんてもらわなくても、会社全体のことを見せてもらえて勉強させてもらえるのだからむしろお金払うくらいですよね。
でも、良い結果が出たことによってお金を頂けました。
誰でも稼げることをやろうとすればするほど、稼げなくなっていくことを理解した方が良いですね。
なぜ副業をやるのか?を5回繰り返す
なぜ副業をやるのか?の問いに対して、5回くらい「なぜ?」を繰り返して、自分が副業を通じて何を得たいのか?を理解したほうがいいと思います。
例えば、「お金を稼ぎたい」だとしたら、「それはなんで?」と更に深掘りしてくと、「贅沢したい」と理由の人って多いと思うんですよね。
「じゃあなんで贅沢したいの?」と考えていくと、子供に教育を受けさせたいなのか、いい家に住みたいとか、周りにすごいと思われたいのか?というように根本の理由て異なりますよね。
この根本的な理由によって、お金を稼ぐにしても稼ぐべき金額が変わってくるし、もしかしたらお金を稼ぐ必要はないのかもしれない。
周りにすごいと思われたいのなら、Twitterでフォロワー増やせば満たされるかもしれない。
自分自身の根本的な欲求や動機が分かっていないで表面的な「お金を稼ぎたい」だと、ブログ稼げそう!株で投資したら稼げそう!みたいに簡単に稼げそうなものにちょっと手出して辞めたりして続かないですよね。
そこで、重要なのが、自分が得たいものと相手が困っているもの、欲しているものをしっかりと整理することです。
ご依頼頂く相手の為になる、役に立つということが最優先事項になります。
その範囲の中で、自分が成長させるのはどうしたらいいか?を考えて副業を行うべきです
相手からしたら副業とか本業とか関係ないですからね。
ぼくの例では、1番最初は「資金調達手伝って」というお困りごとに対して、一生懸命やりました。
そうすると、「銀行でも全国表彰2回もらって、リクルートでもすぐに営業リーダーに抜擢されたってことは営業組織とか経営見れるでしょ?手伝ってくれない?」という感じで広がっていきました。
自分のスキルアップ的にも面白そうなテーマだったので、一生懸命取り組んだ。そして今ではその広がりから複数の副業をやらせて頂いています。
誰かが困っていることを解決すればお金は発生するので、まずは相手の役に立つことを自分で身につけるべく取り組んでいくべきです。
だから、最初は無償でもなんでもやって自分のレベルアップをすれば後から色々ついてきます。ついてこなかったら単なる努力不足か、工夫不足です。
ぼくは今、その広がりが自分の労働集約型にならないために仕組み化している最中です。
「副業」が単なる時間の浪費にならないように
いま、「流行ってるし、なんだか稼げそうだから副業をやってみたい」という方は多くいらっしゃると思います。
でもそれだけではなかなか上手くいかなくて、そそさんの考え方のように誰が困っていて、自分はそれに対して何が提供できるのか?何をしたいのか?といったことを解像度高く考えて取り組む必要があるかもしれません。
解像度が上げられれば、例えばその時点では実行が難しくてもそれをするための能力やネットワークを得るキャリアを選ぶといった選択肢もできるようになりますね。
やはり副業も戦略的に考えてやっていかないと、単に時間を浪費してしまったり最悪の場合信用を失ってしまうケースもあると思います。
最近巷に溢れている「副業は稼げる!」という表面的な煽りではなく、実際にリアルなビジネスで実績を積まれているそそさんのお言葉は多くの方の参考になったのではないでしょうか。



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同じく銀行からリクルートに転職したHIROさん(@tamasaburou19)の転職体験記はコチラ↓
【実体験】銀行員からリクルートへの転職。そのリアルを赤裸々に公開

