「転職を考える理由がネガティブだとその転職は失敗する」
こんな言葉を聞いたことがないでしょうか?
私も転職活動をしているときによく耳にしました。
私は社会人になって2年目で転職活動を開始しました。
そして9年目にようやく新卒で入社した大企業からベンチャー企業へ転職しました。
私が2年目に転職活動を開始したのは、明らかにネガティブな思いが背景にあります。
しかし、私の転職はいまのところ成功していると言えます。
その立場から言えるのは、
「転職を考えるきっかけはネガティブなものでも構わない。でも転職を成功させるのはそれ以外の理由を持てたとき」
ということ。

・なんでネガティブな理由で転職をすると失敗するのか?
・そうは言っても今の職場は嫌だから今すぐ転職したい。
・転職を成功させるためにはどうしたら良いのか?
こう思う方も多いはず。
この記事では、
・なぜネガティブな理由で転職をすると失敗すると言われているのか
・転職を成功させるためにはどのように考えて行動すればよいか
について解説します。
間違いなく人生の分岐点となる転職。
そんな転職を後悔しないために、ぜひご一読ください。
なぜ「転職を考える理由がネガティブだと失敗する」と言われているのか
まず、なぜ転職を考える理由がネガティブだと失敗するのか、その理由を解説します。
転職の決断を焦ってしまうから
ネガティブな理由の転職が失敗しやすい一番の理由は、決断を焦ってしまうことです。
つまり、
「いまの環境が耐えられないから、とにかく転職したい」
という理由によって転職先を決めてしまうと、残念ながらその転職は失敗に終わる可能性が高いです。
「隣の芝は青い」とよく言いますが、いまの環境に不満があるとどうしても別の環境が良く見えてしまいます。
そこで別の環境の良い面だけを見て転職を決意してしまうと、次のような事態に陥ってしまうことがあります。



・ 実はもともと働いていた環境の方が恵まれていた。
・ 自分の能力が発揮できない職場に転職してしまった。
・ これまでのキャリアと連続性のない仕事をすることになってしまった。
「とにかくどこでも良いから転職したい」
この気持は良くわかりますが、こういった状況のときはどうしても盲目的になってしまいます。
そんな状態のまま転職を決めてしまうと、
「こんなはずじゃなかったのに」
と後々その転職を後悔することにもなりかねません。
これが転職の理由がネガティブだと失敗しやすいと言われるひとつ目の理由です。
ネガティブな理由の最大の注意点は「決断を焦ってしまうこと」
転職先でも同じ状況に陥ってしまう可能性が高いから
「上司が最悪」
「同僚と意見が全く合わない」
「仕事が面白くない」
こういった理由で転職を考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、これだけの理由で転職を決断してしまうのは危険です。
まず、人間関係が嫌で転職したい場合。
実際に転職先候補の会社の人と会って「すごく合いそう」と思っても、実際に転職したら別人のような態度だったということもあります。
また、その人がどれだけ良い人だったとしても、必ずその人と一緒に働けるという保証はどこにもありません。
つまり、人間関係は運の要素が強いため転職先でも同様に人間関係に悩まされる可能性は大いにあります。
次に、仕事内容。
あなたは今の仕事を「面白くない」と思っているかもしれません。
そして別の会社の仕事がとても魅力的に見えるこもあるでしょう。
しかし、会社が外向けに見せている仕事の内容は、ほんの一部。当然、人材が欲しい会社は面白そうな仕事をアピールします。
しかし、「常に面白い仕事」はそうそうありません。
転職してから実際に業務にあたって「こんなはずじゃなかった」と思ってしまう人は想像以上に多いのです。
人間関係や仕事内容は運の要素も強い。同じ状況に陥らないか?を見極めるべき
転職を成功させるためにはどうすれば良いか
では、ネガティブな理由で転職を考えてはいけないのか?
答えはNoです。
たしかに、ネガティブな理由だけで転職を決断してしまうと上に述べたような失敗となる可能性が高いです。
しかし、最終的に転職の理由をポジティブなものにできれば転職の成功確率は高められます。
多くの人はネガティブことが転職を考えるきっかけとなります。
転職を成功させる人はきっかけこそネガティブな理由ですが、転職を決意するときにはポジティブな理由が来ていることが多いです。
ここからは、ネガティブな理由をポジティブな理由に変えるための具体的な方法をお伝えします。
自分の能力やモチベーションの棚卸しをすることで転職成功のベースを固める
まず、これまでの自分のキャリアを冷静に振り返ってみてください。
- 自分は何をやってきて、何ができるのか。
- どんな成果を残してきたのか。数字で示せる成果があるか。
- どんな仕事にやりがいを感じてきたか。
- どういった人たちと仕事をしているときが一番やりやすかったか。
社会人経験が浅い方は、就活をやり直す気持ちでこれまでの人生を振り返ってください。
つまりまずやるべきは、ネガティブな理由からは一旦離れること。
ネガティブな理由が先行してしまうと、「それらしい」理由をつけて転職先を決めてしまいがちです。
冷静なときなら「そんなの当たり前」と思えることも、「とにかく逃げたい」と思っているとどうしても盲目的になってしまうのです。
転職を成功させるために、情報を多面的に集める
次に、複数のソースから情報を集めてみてください。
- 実際に転職をした友人に話を聞く
- 転職エージェントと面談をする
- 転職サイトに登録して求人を眺める
どういった方法でも構いません。
とにかく、ひとつの情報源だけではなく複数の情報源から情報を集めるようにしてください。
ここでの注意点は、同じ会社の上司・同僚や親の意見は参考にしない方が良いということ。
また、転職エージェントも複数人(私のおすすめは3人以上)と会って話をするのが良いでしょう。
今なら、転職やキャリアに詳しそうな人をツイッターでひたすらフォローして意見を参考にするといったこともできます。
場合によってはダイレクトにコンタクトしてみるのも良いかもしれません。
転職活動は情報戦といっても過言ではありません。
決して限られたソースの情報に踊らされることなく、自分なりに情報を精査して判断することを心がけると良いでしょう。
ある程度の時間をかけて転職を決断する
最後に、転職活動はある程度の時間をかけることが成功の秘訣です。
冒頭述べたとおり、私は実に7年もの間、転職活動をしていたことになります。
もちろん、フルパワーで転職活動をしていたわけではありません。
しかし、複数の転職サイトに登録し情報を収集し、3ヶ月に1度くらいのペースで転職エージェントと面談をしていました。
転職サイトでは求人を定期的にチェックし、転職エージェントとの面談では主に以下について話をしていました。
- 現在の転職市場の状況
- 自分の職務履歴書に興味を持ってくれるのはどういった会社か
- 自分が興味のある業界・会社に転職するにはどのような経歴を積めばよいか
- こういった話をすることによって、先ほど述べた「能力やモチベーションの棚卸し」をすると同時に、今後のキャリア設計の戦略をじっくり練ることができました。
7年間も転職活動をする必要はありませんが、少なくとも3ヶ月、できれば半年以上は時間を使った方が良いでしょう。
もちろん、良いオファーがあったときに直感的に飛び込む勇気もときには必要です。
しかし、多くの場合は「時間をかけることで冷静に状況を見極め、最小限のリスクで最大限のリターンを得られる」転職をするべきと言えます。
最後に:筆者の経験から
冒頭述べた通り、私自身も転職を考えるきっかけはネガティブなものでした。
- 自分の意図しない人事異動によって、住む環境や担う仕事が自分で決められない
- 市場が縮小していて将来性がない
- 年功序列でいくら結果を残しても給料が変わらない
- こういった要素が、今後「個人の市場価値」という点で考えたときにマイナスに働くと思い転職活動をはじめました。
しかし、最終的に転職を決意したときにはその転職理由は以下のようにポジティブなものになっていました。
- 転職先の業界は市場が伸びている。かつ扱うサービスが世の中にとって価値があると自信を持って言える。
- 自分がこれまで培った経験や能力で会社の成長に貢献できる。
- 将来自分が実現したい姿へのステップになる。
こういったプロセスを踏むことで、自分のキャリアも明確になりいま取るべき行動もクリアになります。
転職活動のメリットは他にもありますので、是非こちらもご参考ください。
いまネガティブな思いを強く感じている方は辛いと思いますが、まずは一度冷静になることでぜひ転職活動を成功させてください。
ご意見、ご質問はhariのツイッターアカウントまでどうぞ。それでは!