ドラマ「半沢直樹2」。前作以上の盛り上がりを見せて幕を閉じました。
「テレビはオワコン」と言われて久しい昨今。
しかし半沢直樹が記録した視聴率とSNSの盛り上がりを見ていると、やり方次第ではテレビコンテンツにもまだまだ成長余地があるのではないかと思えます。
そんな半沢直樹。
視聴者として「面白かった」で終わらせるにはもったいなさすぎる。
今回の『半沢直樹』は、企業のコンテンツ作りやマーケティングを始めとして現代のビジネスに活かせるヒントが盛りだくさんです。
ストーリーや役者さんの演技が素晴らしいのはもはや議論の余地もないところ。
この記事では、テレビに限らずコンテンツやビジネスそのものを作る側の観点からとして参考にすべきポイントをまとめました。
ヒットの秘訣1:明らかにテンポの良い展開
まずはテンポの話です。
「半沢直樹2」は2013年の前作よりも、明らかにストーリーが進むテンポが速くなっています。
目まぐるしく変わる展開に、誰もが「一瞬たりとも目が離せない」と感じたのではないでしょうか。
これが1つ目の「現代流コンテンツ」の成功の秘訣です。
日々大量の情報にさらされる現代人。
YouTubeやTikTokに代表されるように、現代のコンテンツの主流は数秒から数分で観れる動画。
消費者やユーザーに対して届けたいコンテンツは、どんなに内容が良くても「長いと飽きられる」のです。
もはや1時間のドラマは現代の視聴者にとっては「長すぎるコンテンツ」。
半沢直樹は、それを圧倒的なテンポの良さでカバーしています。
ヒットの秘訣2:「推し」を作りやすいキャラ設定
人気の高い黒崎検査官は原作より出番が圧倒的に増えています。
大和田さんはそもそも原作には登場しません。
あえて登場人物の個性やクセを前面に出すことで、『半沢直樹』は上手く視聴者ひとりひとりが応援して盛り上がれる「参加型」のコンテンツを作っています。
「ユーザー参加型のコンテンツ」
SNS時代に絶対に抑えておきたいキーワードです。
ヒットの秘訣3:「あれ何!?」と議論を呼ぶ工夫
今回の『半沢直樹』で特徴的なのが、「普通に見ていたら気づかないであろうシーン」を随所に散りばめていたこと。
熱狂的なファンがこのシーンに気づいてSNSに投稿する。そして「何だこれは!?」と議論が巻き起こる。
制作側が予告編という「広告」を何度も流さなくても、自然と情報が拡散されていく。
少し見せ方を工夫するだけで、『半沢直樹』というコンテンツが自動的に多くのユーザーに届けられる仕組みを作っています。
このツーショ何?www #半沢直樹 pic.twitter.com/d4pRi0MPi6
— はらたん (@haratan_375) September 13, 2020
大和田さん、紙コップで虫捕まえて写真撮っててワロタ#半沢直樹 pic.twitter.com/Sfz7hjrUL6
— しおん(´∀`=) (@sionchann) September 20, 2020
ヒットの秘訣4:あえて突っ込み所を残す演出
「よくこんな開けた場所で機密情報ペラペラ喋れるな・・・」
「銀行のセキュリティがばがばじゃん・・・」
普通のコンプラ意識を持ったビジネスパーソンなら、誰しも思ったことでしょう。
これ、多くの人にそうした突っ込みをしてもらうため、あえてやっているとしか思えません。(原作ではしっかり「人目につかない場所で」などの説明がされています。)
ツッコミどころのない完璧なコンテンツではなく、あえて視聴者(ユーザー)がマウントをとれるようなポイントを作る。
単に「面白い」だけでなく、「ここがなってない!」とユーザーがマウントを取れることによって、コンテンツに参加していく。
マーケティングのテクニックとしてはかなり上級編ですが、これも「参加型のコンテンツ」を作るという意味では多くの企業が参考にすべきポイントでしょう。
「流行っているコンテンツ」はビジネスの一番の教材
『半沢直樹』のように、大衆に受け入れられているコンテンツを馬鹿にする風潮も一部ではあります。
- あんなミーハーコンテンツは観ない
- 大衆に迎合しているだけだ
個人の好みで言っているのであれば何も問題ありません。
しかし、少なくとも企業の経営者やマーケティングに関わる仕事をする人は参考にすべき点が多くあります。
流行っているコンテンツには当然流行る理由がある。
MBA等でマーケティングを学ぶより、よっぽど良い教材になります。
意識して流行に敏感になる。
そんな考えを持っても良いかもしれません。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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