[chat face=”hari.png” name=”ハリサップ” align=”left” border=”gray” bg=”none”] 大企業からベンチャーへの転職を成功させたハリサップです。 [/chat]
これからの時代、一生1つの会社で勤め上げるという人はいなくなるでしょう。
令和時代への突入とともに終身雇用制度の崩壊が宣言され、大企業でも多くのリストラが行われています。
そんな環境の中、「このまま今の会社にいていいのか?」と考える人も増えています。
しかし、多くの人は同時に次のようにも考えているのではないでしょうか?
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- 業績が安定してるから、いますぐ転職する必要はない。
- どうやって転職活動をすれば良いか分からない。
- 転職に失敗するのが怖い。
- 会社には優秀な上司や先輩がたくさんいるから、大丈夫だろう。[/chat]
巷には転職に関する情報誌や面接対策、職務履歴書の書き方などのノウハウ本は巷に溢れています。
しかし、転職に関するそもそもの考え方について解説した本はあまりありません。
そんな中、この「転職の思考法」はまさにキャリアや人生についての「思考法」を網羅的にまとめた良書です。
私自身、大企業からベンチャーへ転職するときにこの本を穴が空くまで読みました。
この記事では、そんな「転職の思考法」のエッセンスを紹介します。
※なお、この記事は「転職の思考法」をhariなりにまとめたものなので、順序が本書の内容とは異なっています。
「転職の思考法」著者:北野唯我さんの経歴
著者は北野唯我さん。
博報堂→米国留学→ボストンコンサルティンググループと転職し、現在はワンキャリアの執行役員を勤めています。
1987年生まれ30代前半という年齢ながら、かなり本質的な意見が述べられています。
転職先を考える前に自分の価値観を棚卸しする
まず、自分のキャリアについて考える際に重要なのは自分の価値観を知るということです。
「やりたいことが特にない」は悪なのか?
大前提となるポイントとして、この本の中では自分が「to do」型の人間なのか、「being」型の人間なのか把握することが重要と述べられています。
人間には、「何をするか」に重きをおくto do型の人間と、「どんな人でありたいか、どんな状態でありたいか」を重視するbeing型の人間がいる ・99%の人間はbeing型である。だから、「心からやりたいこと」がなくても悲観する必要はまったくない。
キャリアを考えるときに、人は大抵「何をするか」「どんな仕事をするか」に重きを置きがちです。
そして、「特にやりたいことがない」という自分に対してネガティブな感情を抱いてしまいます。
しかしながら、著者が述べるように「やりたいこと」があるto do型の人間は全体の1%。
99%の人間は、やりたいことがなくて当たり前なのです。
そこで考えるべきは、
「自分はどんな人でありたいか」
「どんな状態でいたいか」
ということ。
これはhariの意見ですが、このbeingについては
「世界中どこにいても仕事ができる」
とか、
「お金の不自由がない状態」
とか、そういった類のもので構わないと思います。
大事なのは、自分の心に嘘をつかないこと。
転職理由を探すために、
「自分はこういうことをやるべきなのではないか」
と無理矢理自分を納得させる方法は上手くいきません。
5年後10年後理想の状態になっているために、いま何をすべきか。
本書ではそういった思考法が重要であると述べられています。
being型の人間が仕事を楽しむための2つの条件
being型の人間が仕事を楽しむための条件として以下の2点が挙げられています。
- マーケットバリューを高めること
- 迷ったときに、自分を嫌いにならない選択肢を選ぶこと
①のマーケットバリューを高めることについては次の章で詳しく解説します。
②の「迷ったときに、自分を嫌いにならない選択肢を選ぶこと」とはどういうことでしょうか。
これは、
自分が本当は価値がないと思う商品を顧客に提案する
とか、
自分は納得していないけど上司の言うとおりにしなければいけない
とか、そういった選択をしなくてもよい環境に身をおくということです。
組織のなかで働いていると、どうしても自分の心に嘘をつかないといけない場面が少なからずあるでしょう。
こういった場面を極力少なくする環境に身をおくことが、being型の人間が仕事を楽しむための条件の1つと述べられています。
自分の市場価値(マーケットバリュー)を高めるという思考法
では、自分を嫌いにならない選択肢を選ぶためにはどうすればよいでしょうか。
それは、自分の市場価値(マーケットバリュー)を高めることがポイントです。
この本のなかでは、働く人の市場価値(マーケットバリュー)は次の3点で決まると述べられています。
- 技術資産
- 人的資産
- 業界の生産性
そして理想的なキャリアは少なくとも上の2つ以上が高い状態と書かれています。
ひとつずつ見ていきましょう。
技術資産とは?
技術資産とは、「専門性」と「経験」のことと言われています。
「専門性」とは「職種」に近く、営業やマーケティング、会計や税務、プログラミングやデザインといったものを指します。
「経験」は「職種に紐付かない技術」で、専門性よりも幅広いもの。
たとえば事業部長の経験、子会社の経営、プロジェクトマネージャーの経験、リーダーの経験など。
専門性は誰でも学べば獲得可能で、年を取るほど差別化しづらくなる。
一方で、「経験」は汎用化されにくいことから、20代は専門性を、30代は経験を重視したキャリアを選択するのが良いとされています。
人的資産とは?
人的資産とは、簡単に言ってしまえば人脈やネットワークです。
この人的資産な具体的には
「あなたが会社を変えたとしても変わらずあなたに仕事をくれる人がどれぐらいいるか?」
と説明されています。
この人的資産は容易に得られるものではありません。
この本の中では、20代は専門性を、30代は経験を、40代は人脈を取りに行くのが良いと述べられています。
業界の生産性とは?
最後に、業界の生産性です。
生産性が高い業界か、市場が伸びている業界で働くことが市場価値を高める方法と言われています。
生産性が高い業界とは、「一人あたりが生み出す利益が大きい業界」のこと。
金融やコンサルがこれにあたります。
生産性が高い業界か、市場が伸びている業界で働くことが、市場価値を高める1つの方法。
逆に、「絶対にやっていけいない」のは10年前と同じサービスを同じ顧客に売っている業界や会社を選ぶこと。
そのような会社で働いていても、その経験は無効化され市場価値を高めることにはなりません。
ピボット型キャリアという考え方で転職を成功させる
そのうえで、著者がオススメしているのが「ピボット型キャリア」という考え方。
ピボットとは、方向転換や路線を変えるという意味。
キャリアの文脈では、自分の強みに軸足を残しながら、もう片足を今後伸びる分野にずらしていくということです。
すでに述べたとおり、業界によって生産性が異なります。
自分の専門性と経験を活かした上で、生産性の低い会社から高い会社に転職していくのが良いキャリアを築くうえでのポイントです。
転職をする際の5つの方法
転職をするには以下の5つの方法があります。
- ヘッドハンティングを受ける
- 転職エージェントに登録し紹介を受ける
- ダイレクトリクルーティング型のサービスを使う
- SNSなどマッチングサービスを使う
- 直接応募、または友人から紹介してもらう
転職と聞くと転職サイトに登録してそこから応募、またはエージェントからの紹介という方法を考えられると思います。
しかしそれに限らず、SNSなどのマッチングサービスを使ったり友人経由で会社を紹介してもらったりと転職活動の方法は様々です。
最近は「リファラル採用」といって、社員の紹介によって転職するケースが増えています。
常にアンテナを高くはって、自分のキャリアについて気軽に相談できる人を見つけると良いでしょう。
転職を考えることで思考も自由になる
最後に、この本で私が印象に残っている文章を引用します。
選択肢を失った瞬間、仕事は窮屈になる。だから、君は食べていく力を身につけなければいけない。自信はそこからしか生まれない。
実際に転職をするにしてもしないにしても「いつでも転職できる」という状態をつくっておくことで心にも余裕が生まれ、その結果良い仕事ができます。
hariも、定期的に転職エージェントと会って話をしたり情報を集めることで「いつでも転職できる」状態をキープし、無駄なストレスなく仕事に向き合っています。
いますぐ転職するつもりがなくても、転職を選択肢に入れることで驚くほど心に余裕が生まれます。
詳しくは【辞めるつもりがなくても】転職活動をすべき5つの理由をご参照ください。
この記事で解説した内容のほか、本書では
- なぜ成熟マーケットで働かないほうが良いか
- いいベンチャーを見極めるポイント
さらには
- 転職に際しての家族やパートナーとの対話で気をつけるべき点
なども丁寧に解説されています。
物語形式で読みやすいので、是非本書をご参照ください。
